Premiere Proで位置やスケールなどのアニメーションを設定する際に、イーズアウト・イーズインを適切に設定すると動画のクオリティをより高めることができます。
しかし、イーズアウト・イーズインを実際に設定しようと思っても以下のような疑問点や懸念点を持っている人も少なくないと思います。
◼︎ イーズアウト・イーズインの正確な意味がわからない
◼︎ アウト→インの順番を逆にしてしまうことがある
◼︎ 速度グラフの波形をどう設定すれば良いかわからない
上記のような点を正しく理解せずに間違った設定すると、せっかく適用したアニメーションの魅力が失われてしまう可能性もあります。
今回の記事では私自身の経験のほか、Adobeの公式サイトや業界大手の企業サイトの情報からイーズアウト・イーズインの設定時の注意点などについてまとめました。
実際にイーズアウト・イーズインを設定した動画の他、順番を逆にして設定してしまった時のパターンの実例、速度グラフを左寄せ・右寄せの波形にした際の動きなど動画を用いて解説しています。
イーズアウト・イーズインの設定は基本的な内容であると同時に、動画の最終的なクオリティへの影響も大きいため、知識に少しでも不安があるような方は今回の記事を参考にしてください。
そもそもイーズアウト、イーズインとは
イーズアウトとイーズインの定義は以下のとおりです。
・イーズアウト:徐々に加速する動き
・イーズイン:徐々に減速する動き
引用:【Premiere Pro】滑らかにズームイン・ズームアウトする方法 -Vook
イーズアウトは徐々に加速する動きとなります。そのため、通常のアニメーションのみを設定した場合と比較すると、スタートが少し遅い感じになりますが、徐々に加速するためゴールまでかかる時間は同じです。
一方、イーズインは徐々に減速します。通常のアニメーションのみを設定した場合との比較では、スタートは早くなりますが、ゴールの直前で減速してこちらも到着までの時間は同じとなります。
イーズ(Ease)を調節することを「イージング」と言いますが、イージングとは「アニメーション中に徐々に速度を上げたり下げたりすること」とAdobeの公式サイトで説明されています。(引用:Adobe Animate カスタムイージングの追加)
動画編集でアニメーションを設定しただけでは、速度が一定で機械的な印象になります。
イージングを設定することで、生物の動きのような自然な加速や減速が追加され、動画のアニメーションがよりリアリティのある動きになります。
イーズアウト、イーズインはこのイージングを調節する機能です。
なぜイーズアウトが先でイーズインが後なのか
イーズアウトで徐々に加速、イーズインで徐々に減速となるため、通常はアウト→インの順番となります。
日常の風景で物が移動する時は、徐々に加速し徐々に減速するのが自然であり、この順番で使用するのが一般的です。
イン・アウトのイメージから順番を逆にしてしまいそうな場合は、イーズアウトは始点から徐々に出る(outする)、イーズインは終点に徐々に入る(inする)とイメージするとわかりやすくなります。
イーズアウトとイーズインの順番を逆にするとどうなる
イージングを逆に設定(イーズイン→イーズアウトの順番)すると、途中で減速して最後に加速するという不自然な動きになります。
特に理由がなければイーズイン→イーズアウトの順番では使用しないため、間違えないように注意しましょう。
速度グラフの意味と設定するべき波形
イーズアウト・イーズインの設定したアニメーションは、エフェクトコントロールパネルから速度グラフをカスタマイズすることでさらに速度の変化を加えることができます。
イーズアウト・イーズインを設定すると、デフォルト状態で上記のような波形のグラフとなっています。
グラフの波形はアニメーションの速度を表し、グラフの高い部分の動きが速くなります。
この波形の曲面を左寄せにすることで、イーズアウト・イーズインの設定にさらにメリハリがつきます。
逆に波形を右寄せにすると終点に近づくほど速度が上がります。イーズアウト→イーズインの正しい順番で設定していてもそれを覆すような動きになるため、推奨されない波形です。
上記のように、速度グラフの設定はアニメーションの動きに大きく影響します。
速度グラフの意味をよく理解した上で設定するようにしましょう。
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